50代初老が低所得に転落したら日常すべては都市伝説だった件

日常に潜む「はウっ!」とした瞬間を切り取る。信じるも信じないも自分次第

土佐犬と少女の恐怖に流した冷や汗で、いつもと違うギョーザに思いは馳せる

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「犬が吠えます。インターホンを押さないでください」

弁当お届け先の玄関ドアに
一枚の張り紙


「ハッうっ!」と
はくばく心が動き出した

出前配達で
日常過ぎて意識していなかった
かわいい「わんちゃん」との出会い

この張り紙で
突然それが
自分都市伝説になった--------------------------------------------

 

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「今あなたのご自宅へ到着致しました」
という行動結果を
ご注文主に伝えるため

出前をする初老にとって
重要なコミュニケーションツール

それは
ピンポン。

これを押すなと宣言されたら
バカボン一家から
バカボンが旅立ってしまうくらい
せつない

それを押すなと言うのだ

きっと
初老の気配をお客さんは敏感に察知し
ドアを開けてくれるに違いない

期待を込めつつ
玄関先で、たたずみながら

ひらめく

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「そうだ!携帯を鳴らそう」
番号を打ち込んでいる最中だ

 「ヴォアフッオン!」

動物園で聞いた鳴き声に近い重低音が響いて来た

「ヴォアフッオン!」
「ヴォアフッオン!」
「どうぞ!」
「ヴォアフッオン!」

かすかだが
人の声も聞こえる

初老の中に潜む動物の防衛本能が
一瞬、ドアを開けることをためらう

「ヴォアフッオン!」
「ヴォアフッオン!」
「どうぞ!」
「ヴォアフッオン!」


事は、前に進まない
注文主は自宅の中へ招いてくる

意を決してドアを開けると

女の娘と
背後には土佐犬が構えていた

 

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初老と土佐犬との距離
わずか約2m

その間に女の娘の存在が無ければ

サファリパークを
歩いて楽しんでいたら
猛獣に出会っちゃいました
てきな

チュエーションとなんら変わらない
初老の生存本能を脅かす恐怖が
今、確かに
そこにはある

弁当を受け渡すと同時に
無言で1万円を差し出す女の娘

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お釣りを受け渡す最中も
この娘の背後から
鳴き声は止まらない

もう一つ
止まらなかったもの

それは
「女の娘の貧乏ゆすり」

しかし
これが幸いした

■終始無言
■引きちぎるように釣りを受け取る態度
■貧乏ゆすり

この娘の一連の態度と行動は
お客様と配達員という
関係を乗り越え

一人の人間として小バカにされた
初老の怒りに火をともした・・・

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人としての怒りが
配達の任務終了のドアを閉める前に
生存本能を脅かす恐怖を打ち消たのだった

ふるえながら
我慢一心
お客さん宅を背中にした時

こわもての表情でカーテンを
閉める人影が向かいの家に見えた

その時
気が付いた・・・・
そうか
少女の初老に対する一連の
横暴さがなぜなのか

このとき初老は
この近所の住民の行動で
納得することが出来た

貧乏ゆすりも
お釣りを引きちぎる態度も

「早くこの場をなんとかしたい」
「どうか、わんこよ吠えないで!」
という

少女の一心な想いからくる
心の叫びが
この行動につながったと
気が付いた

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時刻もう21:00を回っている

この土佐犬の鳴き声は
静かな住宅街で”不快な音”として
当然近所中に
轟いていていたことだろう

カーテン越しの向かいの住民は
この鳴き声に普段から悩まされている

普段からこの”土佐犬”を巡って
トラブルが絶えない事は
容易に察しがついた

近所の苦情がたまらないこの娘は
一刻も早くこの鳴き声を
黙らせたかったに違いない

子供ながらにどうすることもできない
葛藤がこの出前配達員に見せた
リアクションなのだろう

 

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なんともやりきれないおもいで
車の運転席に乗り込むと

背筋に流れていた汗が
ビタッと身体に密着して居心地が悪い
いわゆる冷や汗というやつか

いつもと違う汗なら
居心地の良い汗をかきたいものだ

たとえるなら
マイナーな
北海道のおいしいものを見つけて
食べながら幸せを感じて
出る汗とか・・・

なぜ
この静かな新興住宅街で土佐犬を飼っているのか
経緯はわからない

しかし
しつけをするのは飼い主の当然の義務
しつけをしても限界のある大型犬であれば
飼う環境を考えてあげるのも
大切な飼い主の責任ではないのか

只々犬が好きです
だけではあまりにも無責任

この環境で住民の苦情に対処しながら
かわいい犬に窮屈な思いをさせて
生きていくことが

このストレスで吠えまくる
愛すべきワンちゃんにとって
本当に幸せな事なのか

近隣の住民が本当に苦情を申し立てる
わけは

今、初老が考えている事と
同じ感覚なのではないだろうか

そして
最も切ないのは
出前を取って
この対応を娘にさせている
親の無責任さだ

吠えまくって
苦情が出るのは想定内のことだろう

でなければ
「犬が吠えます。インターホンを押さないでください」

なんて張り紙を
玄関に貼るはずもない

苦情が出る状況がわかっているのに
娘をこの環境にぶつける親の行動に

なんとも
初老はせつなくなり
言葉が出ないのであります

そもそも
この状況になることがわかっていて
こんな時間に出前取るかよ
って
話なんですが・・・

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なぜ
近所の白い眼を一心に
あえて背負う行動に出るのか
理解不能の領域

猛獣よろしくの犬に恐怖し
変な汗をかき
間接的に近所迷惑の片棒を担ぎ
少女の悲しい叫びに切なくなって
結果なぜか
ギョーザを連想する

低所得の出前配達アルバイト初老は
犬を飼うという事を真剣に考えながら
出前の帰路に付き

たくさんのわんちゃん達との出会いを
思い返していた

■玄関を開けた途端に脱走する愛犬
何故か白い目で見られる初老

■脱走かと思いきや
初老に突進
吠えながらズボンのすそを引っ張りまくる
なんて事もあった

このとき
飼い主がなぜか微笑んでいた

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「こらこら、権兵※ダメよ」
(※仮名)

何故笑っていられるのだろう

ー冷静に考えてほしいー

「飼い犬はペットではない。家族だ」
確かにその通り

しかしそれは
飼っている家族親族だけに
通用する愛情

玄関を開けた多端
突進してくるワンちゃんに
配達業務員がもし噛まれたら

それは事件です


初老のズボンのすそを引っ張っている
そのワンちゃんは

初老にとっても
社会的に見ても
あなたの家族ではありません

「犬です」


インターフォンに吠える犬の対処法:DOGGY STATION Vol.75/犬のしつけ・問題行動・犬の心理学・犬の行動学・ドッグトレーナー・ドッグビヘイビアリスト

人にとって大切なコミュニケーションツールの
ピンポンも
ワンちゃんにとって
防衛本能が働く一大事であります

しつけに苦労されている現実
毎日配達していると
殆どの皆さんの対応でわかります

ごくまれにある

窮屈な生き方を強いられている
土佐犬との遭遇や

裾を引っ張るワンちゃんを
暖かい眼で見守る飼い主に

心が「ハッうっ!」となる
瞬間もありますが・・・・・

時代が変わったのだろうか
人の子供だけじゃなく

ワンちゃんも「放任主義」が
認められていく
世の中になっていくのかな

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今回も最後までお付き合いいただきまして
ありがとうございました<(_ _)>